
全受賞作品とコメント2017

2016年11月〜2017年10月に出版された本から
高校生にすすめたい本を、
埼玉県の高校司書がピックアップ!

かがみの孤城
THE SOLITARY CASTLE INTHE MIRROR
辻村深月 著 ポプラ社

作者の辻村深月先生からコメントをいただきました
『島はぼくらと』に続く、2度目のイチオシ!ありがとうございます。
『かがみの孤城』は学校や家に居場所をなくした子供たちの話ですが、学生時代の私にとって、どんな時でも自分を受け入れてくれた場所が図書室でした。今、同じ思いをしているかもしれない子たちが、皆さんがいる図書室・図書館から『かがみの孤城』を通じてこころたちと友達になってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
県内司書の推薦コメント
本作を借りた不登校の生徒から「はじめて本で泣きました」といわれました。ミステリーとして楽しめるだけでなく、行間から書き手の誠実さが感じられる1冊だと思います。
学校での人間関係に悩む中学生達が主人公なので、高校生も話に入りやすいのでは。後半のたたみかけるような伏線回収は読書の楽しさを存分に味わわせてくれるはずです。
行き場を探す主人公たちの成長がきっと読み手にも伝わります。
もしも、実際に同じ状況にいる高校生が読んだ時、どうなのかな、逆に辛くならないかな、と考えたりもしたのですが、それでも応援のメッセージがつまっている物語なので、読んでほしいと思いました。
人知れず孤独に苦しんでいる特に若者にいちおししたいです。
自分が中高生だった頃を思い出しながら一気に読みきりました。多感な頃の心理がよく伝わってくる。物語の感動も相まって是非読んでほしいなと思いました。
途中でやめることができず、久々の徹夜で一気読みしました。
学校での生きづらさを感じる本ですが、最後まで読むと前向きな気分になれると思います。
最初、読むのが少し辛い展開かもしれませんが、、、でも是非最後まで読んでほしいです。後半はおそらく一気読み、読了感は最高です。

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと
西原理恵子 著 KADOKAWA

作者の西原理恵子先生からコメントをいただきました
これから世の中に出ていく、まさに予備軍である高校生のために、この本を第2位に選んでくださったこと、ほんとうにありがとうございました。
人生は、あんな坂、こんな坂、まさか!の連続です。転び続けた先輩の話を聞いてください。あなた方が転んだ時に少しでも役に立つ一冊になれたら嬉しいです。
県内司書の推薦コメント
経験者に聞かなきゃ、わからないことがある。
女子生徒にぜひ読んでほしいです。
今まで教わってきた女の子のあるべき姿とは違う、でも、自分の子供や生徒にはこう生きてほしい。転んだ時の立ち上がり方を知るためにもぜひ読んでほしい本。
10代の女の子になかなか言えない(ホンネ)が、この本なら伝わるのでは。
西原さんの人生がにじみ出ている本。男の子も読んでほしい。
自分の力で働いて生きていくことの重要性を「これでもか!」と強く訴えています。人生に〈絶対〉はない。だからこそ、頑張れる時には頑張っておきたい。そう思える一冊です。
自分で働いてお金を稼ぐっていうのは自由を勝ち取っていくことという言葉が染みました。
生きていくために拠りどころになるものは何なのか。これから社会に出ていく女の子たちに、その隣に立つ男の子たちにも読んでほしい。
女の子の自立をススメル時にピッタリです。
自分の力で働いて生きていくことの重要性を「これでもか!」と強く訴えています。人生に〈絶対〉はない。だからこそ、頑張れる時には頑張っておきたい。そう思える一冊です。
女の子が読んで、すんなり納得してくれるかはわからないけれど、でもイチオシしたくなる本。自分の学校や家庭で体得しているジェンダー感を広げてくれる一冊だと思います。女の子と関わっていくであろう男の子たちにもぜひ読んでほしい。

バッタを倒しにアフリカへ
前野ウルド浩太郎 著 光文社

作者の前野ウルド浩太郎先生からコメントをいただきました
これから何をして生きていこうか。全ての高校生が苦悩する「進路」。取り柄のない青年が、どんな想いで進路を選び就活したのか、大人の世界を先に覗いてみませんか?「若いうちに読んでたら、人生変わってたわ」―― 取り返しのつかないところまで人生を進めた大人たちからは好評です。
県内司書の推薦コメント
逆境を逆手にとって、非常にポジティブな姿勢で研究を進め世界を広げていく姿を高校生にぜひ読んでもらいたい。まだ研究途中なので、これからどう変わっていくのかも楽しみです。
本を楽しみながら、著者の一所懸命な姿勢に感動して欲しい。
人生を賭ける情熱の凄みを感じる。
日本の若手研究者のリアルな実情を、面白くわかりやすく伝えてくれる。
虫が苦手な人でも(写真に気をつければ)楽しく読めます。
好きなことで生きるための力強さに感じ入ります。

漫画 君たちはどう生きるか
吉野源三郎 原作、羽賀翔一
漫画 マガジンハウス

担当編集者さんからコメントをいただきました
「僕たち人間は、自分で自分を決定する力をもっている」この本の中に登場する言葉です。情報が溢れる今の時代だからこそ、流されずに自分で考え、決定することが大切です。高校生の皆さん、あなたの人生には無限の可能性が広がっています。そしてそれはあなた自身が決定するもの。この本が人生を考える きっかけになってくれることを願っています。
県内司書の推薦コメント
学校で毎日向きあってるあの黒板。これがなんとすばらしい芸術に大変身。まさに錬金術のなせる技。そう、高校生アートの傑作労作集。チョークと黒板が織りなす美しさに驚きと感動が待ってます。本当にこれがすごいんです。大宮光陵高校の最優秀受賞も載ってます。
高校生のうちに一度読んで考えてほしい本です。