
全受賞作品とコメント2025

2024年11月~2025年10月に出版された本から
高校生にすすめたい本を、
埼玉県の高校司書がピックアップ!

僕には鳥の言葉がわかる
鈴木俊貴 著 小学館

鈴木俊貴さんからコメントをいただきました
第1位に選んでいただき、ありがとうございます!
シジュウカラには言葉があります。鳴き声の単語や翼のジェスチャー、言葉を組み合わせた文章まで!
この本を読んだら、ぜひ公園や林でかれらを探してみてください。
きっと鳥たちの会話が聞こえてくるはずです。
県内司書の推薦コメント
オタクではない、自分の好きなことをとことん追求し楽しむことを教えてくれる。鳥の声が気になり、聞き入ってしまうかもしれません。
知りたい事をとことん追求するエネルギーって凄いな!と思わせてくれた1冊。著者直筆のイラストがなんともいい味を醸し出しています。読後は鳥の鳴き声につい耳を傾けるようになりました。
動物言語学の第一人者が鳥たちの言葉を解き明かしていく過程をユーモアたっぷりに語った本です。興味のある事柄について愛を持って深く調査していく著者の姿勢からは探究学習の本質が学べます。
シジュウカラの言葉を解明していく ために、様々な工夫を重ねる著者の探究心がすごい!好きなものに出会えた人の強さを見てほしい。生徒も、これほどまでにのめりこめる「好きなもの」を見つけてほしい。
「鳥は言葉を持っている」この言葉を実証するためにシジュウカラの観察を続けてきた日々が綴られています。鳥の生態、研究の面白さや難しさがわかりやすく描かれ著者の研究に対する情熱を感じる一冊です。
親しみやすい文章で研究者の思考の道筋をたどることができる楽しい本。
世界は”謎”に満ちている。その”謎”をどう解明するか?鳥の言語を研究するために行ったフィールドワークの実際は?
探究することがいかにInterestingか伝わってくる。
「好き」を突き詰めた人による大発見。鳥には鳥の言葉がある。しかも、単語を組み合わせて文を作っているなんて!著者による発見と証明の日々…大変そうだけれど、それよりもなんて楽しそう!
街でよく見かけるシジュウカラが二語文を操り、他のカラ類と言葉を共有。ボディランゲージまで行うことを知り驚きました。科学エッセイというと敷居が高い気がしますが、とても読みやすく面白かったです。
鳥の言葉の世界が分かるだけでなく、研究って面白い!と思わせてくれる本です。フィールドワークでの白米とキャベツのエピソードに笑ってしまいました。
これぞ研究!「好き」や「知りたい」を極めた著者の研究記録。鳥の鳴き声を聞いたら、耳をすませてしまいます。
この本をきっかけに身近にあふれる謎を追求してみて欲しいです。もしかしたらそれは大きな発見に繋がるかもしれません。
読んだ後は町や山へ出かけたくなります!
気づくことで世界が違って見える、AIに質問するだけではわからない自然観察と研究の楽しさを、身をもって教えてくれる作品です。
鳥が言葉を介してコミュニケーションをとると誰が思っただろう。分かりやすいので、高校生でも十分読めるし、講演会とかに来て欲しい。
緻密な観察と膨大な研究の積み重ねをさらりとユーモアたっぷりに書いていて、研究って楽しいことなんだなと思わせてくれます。著者のイラストもかわいくて読みやすく、高校生に手渡したい1冊です。
大好きな鳥を追いかける著者の、楽しげな文章に心弾む一冊。著者が信じた仮説を「本当に正しいと証明する」までの道のりと努力にハッとさせられます。自分は「確からしい」止まりで済ませていないか?と。
鳥が文を作るなんて!生物が好きで無くても、好きならば尚更、するする読めてしまう面白いサイエンスエッセイ!

本が読めない33歳が
国語の教科書を読む
かまど 著 みくのしん 著 大和書房

みくのしんさんからコメントをいただきました
今思うと、真面目に取り組んでダメだったときが怖くて勉強から逃げていました。ただ、教科書を読んでみたらなんだかちっとも怖くなかったんです(人生の超撮れ高)。本作は本が苦手な人でも読みやすい本になってます。ふ〜んと思って是非読んでみてください!
県内司書の推薦コメント
32歳の時に出版した1冊目に続き、33歳の第2弾も裏切らない面白さ!
昨年のイチオシ本の続編なので迷いましたが、本校でも学ぶ『山月記』が入っているので。生徒たちに読んで欲しいと思って目立つところに置いたら、先生が一番先に借りていきました。
教科書の名作をこんなに楽しく読めたら国語好きになると思う。
たった一文からでも感情を引き出して、そこに物語の奥行きを見つけてしまう。みくのしんさんのその姿勢に、読書の自由さを見てほしいです。
前作を上回る面白さでした。みくのしんさんのイキイキとした感性が素敵。そして、本って自由な読み方でいいんだと安心させ てもらえます。ただし電車で読むのはおすすめしません…時々笑いが我慢できない…
笑い、泣き、「読むこと」の自由と奥深さを再発見して感動する本です。
昨年1位だったから変わらないのもどうかと思って推すのをやめようかと思いましたが、忖度せず推したいものを推すことにしました。これを今読める高校生がうらやましいです!
山月記を高校生と読んでもらいたい。
1作目の感動を再び。さらに進化していることに感激しました。常識を覆し、読書とは何ぞや、いや常識とは何ぞやと考えさせられる本。むしろこんなふうに読んでみたい。

僕たちの青春は
ちょっとだけ特別
雨井湖音 著 東京創元社

雨井湖音さんからコメントをいただきました
イチオシ本に選出していただき光栄です!
中高生の皆さんが、今までの学校生活で出会ったことがあるだろう同級生たちが活躍するミステリーです。彼らの日常を楽しく読んでいただけたら嬉しく思います。
県内司書の推薦コメント
特別支援学校が舞台の、日常の謎系ミステリー。
とてもやさしい気持ちになれるし、共感できる小説です。読み終えたらちょっと大人になれている気がするかも!
特別支援学校の「ちょっとだけ特別」で、でも普通の青春に引き込まれます。
支援学校に入学し、特別扱いされなくなった架月。初めて自分に降りかかる問題と向き合う機会を持ち、悩み、挫け、気づき、仲間と成長していく。ミステリー仕立ての心温まる青春物語。
王道の学園小説(学園小説の王道?)だなと思いながら読みました。登場人物が個性的で読後感が温かい。続編が読みたいです。
発達障害を「障害」としてではなく、個性として描き切っているところがすごい。ものすごく前向きになれるし、障害というものを差別的でなく見られるようになる一冊だった。
高等支援学校を舞台にした、学園青春ミステリ。魅力的な登場人物たちによる“ちょっとだけ特別”な青春を描いた、唯一無二の作品で面白かった。
高等支援学校に入学した生徒たちを主人公に繰り広げられる日常ミステリ。さまざ まな特性を持つ生徒の困りごとがリアルに、生き生きと描かれている。
ちょっと特別だけど、みんなやさしい。こういう世の中になればいい…
学園ミステリーだが、特別支援学校が舞台という点が珍しい作品。謎解き以上に、特別支援学校に通う生徒の日常が生き生きと描かれているところに惹かれました。

それいけ!平安部
宮島未奈 著 小学館

宮島未奈さんからコメントをいただきました
わたしの高校生活は振り返りたくないほど嫌な思い出です。過去のわたしと同様、つらい思いをして学校に通っている人もいるでしょう。でも、学校生活はいつか終わります。本を読んで時間をやり過ごし、とにかく生きていてほしいです。
県内司書の推薦コメント
こんな部活を始める生徒たちがいたら楽しそう。
「ほかにない部活」を作ろうというユニークな設定と、主人公たちの一生懸命さ・ひたむきさ。新しいものを一から立ち上げるという気持ちを、高校生だけでなく、大人にも味わってほしいと思います。
高校に入学してすぐに新しい部活を作るなんて…それも「平安部」。集まった5人の部員たちは蹴鞠大会に出場したり、文化祭で平安パークを開催したりと部活動を謳歌する青春小説です。
爽やかな青春部活小説です。ワクワクしながら読み進めていたので、あっという間に読み終わって しまった。年齢関係なく楽しめました。
特別な理由がなくても、とりあえずやってみたら、思いもよらない世界に出会える楽しさを教えてくれる本です。頭空っぽでも読めちゃう貴重な小説。蹴鞠大会の話がこれぞ青春という感じで好きです。
高校生達がいきいきしていている話を書かせたら、作者の右に出るものはいないのではと再確認した1冊。『成瀬~』同様、今回も登場人物たちの今後が気になりました。続編希望です。
誰しも思わず「平安部って何?」と手に取りたくなる題名です。新入生が謎の部活を創設し、個性豊かな仲間たちと過ごす青春が描かれています。あなたも読後は「あないみじ!」が口癖になるかも。
ほっこりします。
展開は少々うまく転がってゆきすぎかもしれませんが、元気をもらえます。ゆるやかな繋がりを大切にできる主人公たちにじんわりします。
タイトルから何となく古典系のお堅い話かなと思って読んでみると、ぐいぐい読み進められてあっという間にラストに。高校生活が充実している人も、なんだか楽しいことないなぁと思う人もぜひ読んでほしい!
「好き」を追いかける人 には、自然と人がついてくる?変わり者だらけの平安部が、周囲を巻き込みながらずんずん進んでいく姿に元気が出ます。

お悩み相談
そんなこともアラーナ
ヨシタケシンスケ 著 白泉社

ヨシタケシンスケさんからコメントをいただきました
高校生のみなさんは、この先いろんな大人がいろんなことを言ってきて、みなさんを悩ませると思いますが、こういう極端な大人もいるということを、この本で知っておいていただけると、何かの参考になるのかもしれません。
県内司書の推薦コメント
読んでいると、ゆっくりと静かに心が晴れていく感覚が心地良いです。高校生のみなさんもなんとなく元気が出ない時があると思いますので、そんな時におすすめです。
ユーモアがあれば生き抜けそう
堂々とテンションを下げてもいいし、居場所がなくてもいいし、うまくいかないことを焦らなくてもいい。「無理しなくていいんだ」と心が軽くなる。
自分を前に押してくれるというより、周りを近づけてくれる本。後ろ向きな人に読んでほしい。
適当そうに見えて、実は的確な回答に納得です。
ネガティブを突き詰めるとポジティブな気持ちになることもアラーナ。

17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。
びーやま 著 高田ふーみん 協力 ダイヤモンド社

びーやまさんからコメントをいただきました
この度はイチオシ本2025に選出いただきありがとうございます!
勉強は成長痛と同じです。成績アップのためには必ず痛みが伴います。ですが、それは皆さんが正しく成長できている証拠です。1日1日を大事に積み上げていきましょう!ウカレオマエ!!
県内司書の推薦コメント
きっと誰かの人生を変える本。「なぜ勉強をするのか?」「なぜ大学に行くのか?」などの疑問を少しでも抱いた生徒全員に届いてほしい。
実力至上主義と言われている現代だが、果たして現実はどうなのか?大学受験をどのように捉えたらよいのかを率直に語っている。受験前の高校1、2年生に読んで頂きたい一冊です。
どんなに変えようと思っても根強く残る社会的な偏見について客観的に分かりやすく言語化されています。高校生が社会を一歩俯瞰して見るきっかけになると思います。
学校や塾では聞けない話って貴重です。
「 学校の勉強なんて意味なくない?」を、きれいごと抜きで論破してます。なんとなく受験がしんどい人はまずこの本から。
大学受験が人生の中でどういう位置づけを持つかをわかりやすく説明した本。受験ありきの内容なので、大学受験をしない(または、金銭的にできない)生徒には向かない。
人生の先輩から現役高校生に向ける言葉があり、生徒や保護者にも薦められる。

半分姉弟(1)
藤見よいこ 著 リイド社

藤見よいこさんからコメントをいただきました
イチオシ本に混ぜていただき、とても光栄です!
大人が想像するよりもとっくに多様な世界を生きているであろう埼玉の若い皆さんに、
この漫画はどんな風に映るのかドキドキしますが、
ともかく何か感じていただければ嬉しいです。
県内司書の推薦コメント
分かっているようで分かっていなかった「ハーフ」のことを考えるきっかけになる1冊です。
「半分」がなにを意味するのか。あなたの周りにもきっといるし、あなた自身がそうかもしれない。読むと少しだけ世界の見え方が変わる、いろいろな気付きを得られるマンガです。
大人向けのマンガですが、今の世の中に生きる高校生にはぜひ読んでもらいたい。面白いしね!

涙の箱
ハン・ガン 作 きむふな 訳

きむふなさんからコメントをいただきました
最近、涙を流したのはいつですか?
それは幸せの涙? それとも悲しみや悔しさの涙だったでしょうか。
どんな涙であれ、自分の気持ちに目を逸らさずに流した涙は、美しい色と形をしていたはずです。
それらの涙が、あなたをより自分らしく、そして強くしてくれると信じています。
県内司書の推薦コメント
泣き虫さんにも泣けないあなたにも読んでみて欲しいと思いました。海外文学はあまり読んだことがないという人のきっかけの1冊になったらいいなとも思います。
本選びに迷っていた生徒たちに、朗読。そこだけ違う時間が流れた気がしました。短くも美しいお伽噺が心の深いところを打ちます。
すぐに泣いてしまう人にも、どうしても泣けない人にも救いになる童話。表紙、イラスト、本の佇まいが美しく、少し幸せで少しかなしくなります。
美しい 涙がそっと読み手を包む一冊。涙を流すことは心を洗う優しい営みだと感じさせてくれます。junaidaさんの挿絵も素敵です。
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ 著


朝井リョウさんからコメントをいただきました
図書館最高!大量の本たちのかすかな寝息だけが聴こえるあの空間、普段だったら手に取らない作品もガンガン試せるあの贅沢さ、たまりません。その中で気に入った1冊があれば是非書店で手に入れてみてください。その中に私の本もあったら万々歳!
県内司書の推薦コメント
本のボリュームを感じさせないくらい一気読み!それぞれの登場人物の葛藤、推しにハマっていく過程、だんだんと登場人物の物語がリンクしていく様子など、先が気になって仕方なかったです。
昨今「推し活」「○○界隈」などの言葉が流行っていますが、推し活を仕掛ける人、推し活にハマる人、その周りの人などそれぞれの描写がリアルでとても興味深く読みました。
推し活をする人、マーケティングをしかける人、はじめたばかりの人と、それぞれの登場人物を通してかなり考えさせられました。「自分を余らせたくない」という言葉が読後も刺さったまま抜けずにいます。
登場人物たちの生きづらさが身につまされます
推し活ってすごいパワー
